ヴェネチアングラスのランプで上質な空間を演出

1983年に製作されたテーブルランプ「ovale」。イタリア語で「卵型」を意味する名のとおりのなめらかな卵型のベースと、三角錐のシェードのバランスが絶妙なデザイン。そこから広がる優しい光によって室内は安らぎに満たされる。H690mm φ480mm 45万1440円。
世界でも名高いイタリアの伝統工芸品・ヴェネチアングラス。 独創的な作風で愛好家も多いブランド「カルロ モレッティ」
伝統技術と革新的なデザインが融合した作品は 空間に心地よい安らぎを与えてくれる。
イタリア北東部、紺碧の海を臨む美しき港湾都市・ヴェネチア。中世には海上貿易によって“アドリア海の女王”と謳われるほどの繁栄をみせたという。その栄華を象徴していたのがヴェネチアングラス。紀元前、ローマ帝国の時代に誕生し、15世紀頃にはヨーロッパのガラス市場を独占するまでに発展したヴェネチアングラスは、いまもイタリアを代表する伝統工芸品として世界中で愛されている。「カルロ モレッティ」は、その伝統の中にあって常に新風を吹き込んでいるブランドだ。
ヴェネチアングラスの工場が集まるムラーノ島にヴェネチアングラスを生業とする家に生まれたカルロとジョヴァンニのモレッティ兄弟。彼らが1958年に創業したカルロ モレッティは、伝統技術を継承しながら現代アートの要素や時代のトレンドを取り込んだ、独創的な作品を生み出してきた。日々の生活からインスピレーションを得ているという大胆なフォルムや鮮やかな色は、「オーガニックデザイン」と呼び親しまれている。
もちろん、ヴェネチアングラスの本質も忘れてはいない。混じりけのないピュアな原材料を使い、マエストロが手吹き製法でひとつひとつ作りあげる。
サインとシリアル番号が刻まれた作品は、コレクターを虜にするばかりでなく、ニューヨーク近代美術館など世界の名だたる美術館にも展示されるほど評価は高い。 今年の2月にグランドオープンした「カルロ モレッティ東京」。アジア初の旗艦店として話題のこの店に、今秋、テーブルランプのシリーズが上陸した。1980年代から本格的に発表してきたテーブルランプはデザイン性が高く、ヴェネチアングラスを通す光はやわらかい。安らぎを与え、いつもの空間をスタイリッシュかつ上質に演出してくれるインテリアだ。
http://www.carlomoretti-manak.jp/
Text : AKI NAKAGAWA
2016年9月「HORLOGERIE」本誌より引用(転載)