Bunkamura ザ・ミュージアムにて『国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア』展が開催

イワン・クラムスコイ 《忘れえぬ女(ひと)》 1883年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery

白樺や樫の木の深い森、雪に覆われた大平原。街には独特の丸屋根の聖堂、透き通るような白い肌の女性たち。

『国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア』が2018年11月23日より、Bunkamura ザ・ミュージアムにて開催する。

国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア

本展はロシア美術の殿堂・国立トレチャコフ美術館が所蔵する豊富なコレクションより、19世紀後半から20世紀初頭の激動のロシアを代表する作家、クラムスコイ、シーシキン、レヴィタン、レーピンらの作品72点を、自然や人物像に宿るロシア的なロマンに思いを馳せて紹介。

Chardonnayでは『ロマンティック・ロシア』の招待券を5組10名様にプレゼントします。
応募の詳細は記事下部に掲載しています。

展覧会の見どころ

果てしない広大な大地

ロマンティックなロシアと言うときの背景のひとつとなるのが広大な大地。たとえばシーシキンの《正午、モスクワ郊外》に描かれた地平線まで続く道は、そんなロシアならではの雄大なロマンを。バクシェーエフの《樹氷》は、真っ白な樹氷が青空に冴え、透き通った大気を感じさせる。

イワン・シーシキン 《正午、モスクワ郊外》 1869年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery

ワシーリー・バクシェーエフ 《樹氷》 1900年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery

吸い込まれるような深い森

雨傘をさして深い森の中を歩くカップルを描いたシーシキンの名作《雨の樫林》は、映画のワンシーンを観ているよう。この画家には樫の木を単独で描いた作品もあり、それは 人物の肖像画のような風格を湛えている。森は季節の移り変わりとともに様々な容貌を見せる。

イワン・シーシキン 《雨の樫林》 1891年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery

子どもたち

コマロフの描く《ワーリャ・ホダセー ヴィチの肖像》に登場する幼い少女の姿は、子どもの世界にも奥深い内面的なものがあることを証明している。子どもたちを描いた作品は本作以外にも、ヴィノグラードフの《家で》を始め何点か出品され童心に帰る児童文学コーナーさながらとなってる。

ワシーリー・コマロフ 《ワーリャ・ホダセーヴィチの肖像》 1900年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery

男性たちが釘付けになる女性像

私たちをロマンティックな世界に誘う女性像。中でもクラムスコイの名作《忘れえぬ女(ひと)》は、過去に何度か来日しているにもかかわらず毎回待望感がある花形作品となっている。(前回は約10年前)。
文豪が綴る世界を一枚の絵画の中に凝縮したようなこの作品のモデルは、トルストイの小説『アンナ・カレーニナ』とも言われ、地位や階級を超えた文学的ロマンティシズムを画家が視覚的にとらえた傑作と言える。

イワン・クラムスコイ 《忘れえぬ女(ひと)》 1883年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery

注目作品

イワン・クラムスコイ 《月明かりの夜》

イワン・クラムスコイ 《月明かりの夜》 1880年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery

《忘れえぬ女(ひと)》の作者クラムスコイの作品《月明かりの夜》。

白いドレスを纏った孤独な若い女性が、古い庭園で老樹の傍らのベンチに腰掛けている。彼女は誰かを待っているのか、あるいはただ物思いや回想に耽っているのか、彼女がこの問いに答えることは永遠にない。
つまりこの作品のイメージを創造した画家にとって、また鑑賞者にとって、彼女は、人間の心の中にあり、時には自然界にも現れる語り尽くされないものとして、空想、夢、詩の化身であり続ける。

作者のクラムスコイが本作の女性像を描くにあたって、最初にモデルとなったのは、後に著名な科学者ドミトリー・メンデレーエフの妻となった芸術アカデミーの若い生徒アンナ・ポポーワだった。しかし、作品が完成に近づいた時、絵の入手を決意したトレチャコフ美術館創設者の弟セルゲイ・トレチャコフは、画家に、絵の中の女性に自分の妻の面影を与えてほしいと依頼したといわれている。

展覧会概要

【展覧会名】
国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア

【会 期】
2018年11月23日(金・祝)〜2019年1月27日(日)
※2018年11月27日(火)、12月18日(火)、2019年1月1日(火・祝)は休館

【開館時間】
10:00~18:00 金・土曜日は 10:00~21:00(入館は各閉館の 30 分前まで)

【会 場】
Bunkamura ザ・ミュージアム
〒150-8507 東京都渋谷区道玄坂 2-24-1 Bunkamura B1F

■JR線「渋谷駅」ハチ公口より徒歩7分
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■東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線「渋谷駅」3a出口より徒歩5分

【ホームページ】
国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア 公式ページ